1章 序文 [4]

  これは持続可能で人間の能力が最大限に発揮される社会の在り方で、貨幣がない社会。資本主義社会では金銭を得るため定年まで一日長時間働かなければならないが、地域社会が中心となり、地域の住民分だけ生産する社会に移行すれば、必要最低限の公共事業と資源の採集で事足りる。



 生活品が無償で与えられれば怠け者が生まれるという意見もあるが、怠け者が生まれる時は、嫌なことをさせられている時であり、それは生活費を稼ぐために仕方なく働かなければならない貨幣社会だからこそ多く生まれる。嫌な勉強を無理矢理させれば子供も怠けるが、放課後になれば好きなことをして活動的に過ごす。これは大人も同じ。プラウトヴィレッジではのんびり過ごす人が増える。


 プラウトヴィレッジを作れば、世界中で見られる陸・海・空の環境破壊や社会問題はなくなる。しかし人間にとっては別の問題が残る。それは人間の人生は、怒り、後悔、不安、嫉妬、劣等感などの苦しみに満ちており、それらは人間の自我(エゴ)が原因となっている。この自我があることで思考し、思考が苦しみを生む。この思考を静めて無心になれば、苦しみが消える。それは意識を一点に集中させることで可能となる。この継続によって無心が習慣化され、心穏やかな人生を作り出す。つまりプラウトヴィレッジでは、人間の内面と外面の両方に取り組む。



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