○人工知能とスーパーロボット [1]

  人工知能はデータからパターンなどを分析し、予測し、答えを出す。すでに医療や囲碁、将棋などボードゲームの人工知能は人間以上の分析を行い、人間が理解できない答えを提示している。音楽でも名作曲家の作曲パターンを機械学習した人工知能が、素晴らしい曲を作っている。またキーワードを与えれば、自動的に絵も作り出している。

 こういった部分的に高い能力の人工知能が無数に組み合わされば、人間には理解できない答えと案を提示する超知能が誕生する。また人間の行動にもパターンがあり、すでに人間の思考を読み取る技術も開発されているので、人間の思考パターンも学べる。つまり「こういった場面ではこのように反応する」というような、人間の感情と同じ決断を下すこともできる。つまり優しさ、怒りなどもパターンから学び、表現できる。芸術も医療も建築も全て、人工知能が人間よりも高い質のものを作り出す。人工知能が分析するデータは膨大で、これにより人間が思いもつかない問題解決方法が見つかっている。これにロボット技術が合わされば、速く走り、高く飛び、荷物を運び、ドローンと結びついて空も飛ぶスーパーロボットが誕生する。それは時間の問題となっている。




 そしてこのスーパーロボットは殺人に利用される可能性がある。それは包丁と人間の関係のようなもの。包丁は食材を切るには便利だが、人を刺す道具にもなる。つまり包丁を使う人間の心次第ということ。スーパーロボットも正しく使えば便利だが、悪意を抱く人間が使えば悲惨なことになる。

 今後誕生するスーパーロボットは、戦争が存在する世界では間違いなく武器として利用される。それによりスーパーロボット同士が戦争をし、空から街中にやってきて人間を殺すことも起こる。スーパーロボットへ指示しているのは人間だが、人間の筋力ではそのスーパーロボットに対抗することはできない。技術を正しく利用するためには人間の人格面の発達が充分になされていることが必須であり、そうでなければ自らの首を絞める結果となる。それは過去の原子爆弾の例からも、その後の核兵器の数からも見てとれる。つまり人工知能の発達には、戦争と武器のない社会の構築が必須ということになる。

 このスーパーロボットもさらに進化するともうその姿はなく、ドローンフォグとなって透明な霧のまま相手に迫り攻撃する。つまり目に見えないほど小型の人工知能を搭載したドローンの群れが、周囲の色に自らを染め、人間からは見えなくなる。それが遠くにいる人間の指示で人間や街を攻撃し始める。それは人々にとって恐怖であり、知らぬ間に近づいてきて攻撃される。つまり戦争がない状態が達成されていない世界での人工知能やロボット、科学技術のさらなる発展は、人類の危機と直結する。

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