○発電と蓄電 [1]

  電力を作る方法と蓄電する方法も、持続可能でありながらその構造がシンプルなもので、各地域で採取できる資源で作れるほうが、すぐに構築を始められるので良い。そういった意味で家庭ではまず、次の電力設備の組み合わせを検討する。


 真空管の太陽熱温水器を使用して太陽熱からお湯を作り、風呂やキッチンで利用する。これは太陽の熱を集める集熱部とお湯を貯める貯湯部が一体となったもの。日本であれば夏は60〜90℃、冬は40℃前後の温度になる。

 同時に太陽熱集熱パネルも使用する。これは太陽熱で熱せられたパネル内の空気50℃前後が、空気を運ぶ管を通って家全体を温める暖房となる。ただこれだと急激な室温上昇や夜間の放熱による室温低下もあるので、その熱を蓄熱する。

 蓄熱は床下を土間コンクリートにする方法があるが、これだと世界中のコンクリート使用量が増えてしまうので、まず版築(はんちく)に蓄熱することを検討する。版築とは木枠の中にいれた土を突き固めていくもので、本来は壁として使用される。素材は土、消石灰、にがり水などで、これらを混ぜて作る。コンクリートは蓄熱性が高く、土はその半分ほど。その土を突き固めて密度を高くし、版築の蓄熱性をコンクリートに近づける。この床下で温められた空気が家全体に行き渡って暖房となり、床暖房ともなる。
 
 太陽熱を利用するため、温水器と集熱パネルの設置時の方角と角度が重要になる。日本の場合、真南が最も効果的でそれを100%とした場合、真東と真西でも80%ほど確保できる。また屋根の角度は20〜30度が理想的。これを屋根や地面に置く。屋根に置く場合は、屋根の形もそれに合わせることになり、集熱面を大きくする。
 この太陽熱温水機と太陽熱集熱パネルは、熱を熱として利用するので構造がシンプルになる。

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