○推薦選挙 [1]

  貨幣社会では金銭的利益や新しいものを生み出そうとする意欲の高いリーダーの方が、事業や科学を発展させるのに適していることがある。しかしプラウトヴィレッジのリーダーにその意欲は一番必要なものではなく、貨幣社会とは異なり、社会を無理に発展させる必要はない。住民はプラウトヴィレッジの生活でほとんどが完結し、忙しく働かなくても生活は成り立つので、社会の発展はすべての人が恩恵を受けられ、自然環境を破壊しない場合のみとなる。その選択ができる人物をリーダーに選ぶ必要があり、それにより平和で安定した社会を築くことが出来る。こういった人物が自治体や州の代表者になる必要があるが、貨幣社会の選挙制度では人格者が表に出てくることは少ない。


 知名度、資金力、派閥などが重要になる貨幣社会の選挙制度には、大きな問題点がある。それは有権者は限られた情報の中から誰かを選ばなければならない点で、多くの人はテレビや動画、新聞、街頭演説などの少ない情報からでしかその人物を判断することができない。仮に立候補者の活動的な姿や笑顔ばかりがテレビに映れば有権者への印象はよくなるが、それは政治活動中の姿でしかない。つまり有権者は投票する人物が本当はどういった性格なのかが理解できないまま、投票することになっている。



 こういったことを解決する選出方法として、また人格者を選出するため、自治体内で住民による推薦選挙を行う。そして段階を経て選ばれた自治体の1長(首長)は、県内の1長が集まる県議会に参加する。県議会でも同じく推薦選挙で県長を選出し、その人物は国の県長達が集まる国議会(こくぎかい)に参加する。国議会に集まる県長の中からは、六大州の州議会へ参加する国長を推薦で選ぶ。最後に六大州の中から世界連邦の大統領などを決定する。


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