○小さく高性能になる技術 [2]

  怪我により体が全く動かなくなった人が考えただけでロボットの手の操作が出来るということは、インターネットに接続されたパソコンは、世界中どこにあっても考えただけで動かせる。そしてさらに進めば、脳で考えた想いや考えなどを他人のコンピューターへ送るテレパシーに似たことが可能になる。これが空中に映像を映しだす投影技術と結びつくと、相手へ何か説明する際にも、映像を目の前に映し出しながら説明できる。創作活動においては自分がイメージしたものを即その場に現すことが可能になる。音楽のメロディーは頭で想像した通りの音で表現され、絵画もイメージ通り具現化される。こういった脳とつながった技術は人工知能と結びつく。2045年までには、人間のレベルをはるかに超えた人工知能が誕生すると予測されている。


 10億分の1メートルというような原子や分子の領域で物を作り出すナノテクノロジーも進歩しているが、こういった精度の技術が人工知能やドローンとともに進化する。



 2020年頃になるとLEDライトをつけた何百というドローンが空を飛び、それら点が集まって動物や数字などの絵を立体で描くショーが見られるようになった。このドローンが目に見えなくなるほど小さくなり、数がもっと増えれば面を作り出す。さらに一体ずつに人工知能が埋め込まれ、地上にいる人間の脳とつなげれば、頭で思った通りの絵を描くように飛ぶ。

 こうして1体のドローンが無数に集まってドローンの霧(きり)、つまりドローンフォグとなり、立体的な物体を作り出す。始めは物体の表面だけを作っていたものが、次には内側も作り出す。人間で例えれば内臓もドローンフォグが作り出し、遂には血液や内臓の働きも表現し始める。当然人工知能でもあるので、それが自動的に喋ったり動いたりする。そして自然界の生命が持つ自分を整備し修復する能力もドローンフォグは表現する。体が傷つけばそれを修復し、車のボディがへこむようなことがあっても、ボディが自動的にもとの形に修復する。


 将来的には誰もがこのドローンフォグを手にし、住居や家具や衣服まで身の回りの物はすべて想像するだけで形となって現れる。さらに別人や透明人間になったり、鳥になって空を飛んだり、ドローンでできた雲に乗って移動したりする。よって空中に浮かぶドローンが固さ、強さを持つために、それぞれが密着して固定し合うようにもなる。


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