○意識 [2]

  宇宙が誕生する以前にあったこの意識は、人間や生命が持つ意識のことでもある。生命だけではなく石や水、空気、あらゆる物質は意識の現れ。この意識はすべてつながった唯一のもの。



「私」という自我は意識内に現れる思考で、一時的なもの。意識のみがこの世にあり、それがすべての生命の根源的な姿。心も体も自我も思考も一時的なもので、永遠ではない。


 意識が本質で、それ以外は幻想。


 高い所から落ちる夢、誰かに追いかけられている夢など、夢を見ている時、人間はそれが現実だと思って見ている。この現実世界も同様に、人間はこれが現実だと思って生きている。しかし意識からすると、それもまた夢。つまり「私」という自我は本質的ではない。


 生まれたての赤ん坊は、脳が充分に発達していないので思考力がない。だから常に無心の状態にある。そこから成長していく中で、脳も発達し思考力が高まっていく。それとともに「私」という自我が芽生え、「私」の損得を考えて動き、意識は意識として在る状態から離れていく。そして喜びや苦しみという人生経験を何度も経て、再び意識として在る状態へ戻っていく。意識が意識と離れた自我から意識を体験する。これが人間や宇宙を通して行われている。


 無心になり意識として在ることを続けていると、突発的に思考が起こる。この思考は過去の記憶から来る。それは欲望や怒り、将来への不安であったりする。この思考は感情を生み出し、その感情は次の思考を生み出し、また次の感情へと続いていく。負の思考は負の感情を生み出す。これに気づいて意図的に無心になり、この連鎖を止める。


 負の思考は負の感情を生み、それがストレスとなり、病気という形で体や心に症状が現れる。生まれつき性格が前向きな人や後ろ向きな人がいるが、どちらも突発的に思考が起こる。よって意識として在り、囚われのない状態を維持する。


 意識に意識的でなかった場合、突発的に起こる思考に無意識になり、それに振り回される。楽しい思い出もつらい思い出も、場合によっては記憶の深いところに刻まれ、本人に影響を与える。本人は思考に振り回されていることに気づいていない。そしてそこからくる言動は性格となる。例えば、楽しい思い出が多い人は前向きな言動が多くなり、暗い思い出が多い人は考え方が後ろ向きになるなど。つまり突発的な思考に無意識ということは、本人も忘れているような過去の記憶が日々の言動に影響を与えているということ。そして性格の良い人や悪い人、欲の強い人や弱い人、積極的な人や消極的な人などにつながる。


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