○第一に誠実、その次に実力のある人物を推薦する [3]

  もし成功体験があり、実力もあって仕事ができるが誠実さを感じない人がいた場合、後々良いリーダーになるかもと推測してその人を推薦してはならない。理由として誠実さのないリーダーは、仕事ができない人の気持ちに共感できず、その人を下に見て、一方的に攻撃し、組織の雰囲気を悪くする根元になっていることがある。人格面の向上には時間がかかり、一生の間で急激に良くなることはほとんどない。また自分の利益を優先した選択をするので、全体の善を考えることはない。まず誠実さがあるということを大前提に、次に能力を見るという順序でなければ、平和な組織、良い組織にならない。

 貨幣社会ではこういった例が多々見られる。あのリーダーは性格は良くないが、仕事で結果を出しているから周囲の人が何も言えない、というようなこと。こういった組織を作ってしまうと、そこに属する人たちも苦しむことになる。



  もし推薦候補の中に、誠実だが実力がなくて誰からも話を聞いてもらえないタイプがいた場合や、実力はかなりあるが誠実な人ではないという人がグループにいた時は、これもまず性格はできるだけ良い人たちの中で、能力もそこそこあるという人を優先して推薦する。間違っても自己中心的な言動の実力者をリーダーに推薦してはならず、短期的には結果はでることもあるが、長期で続く良い雰囲気の組織にはならない。


 もし誠実で実力がある人物が複数いた場合は、その中から挫折や修羅場をくぐり抜けてきた経験のある人物を選ぶ。修羅場は、失敗すると死や崩壊につながる綱渡り状態で、それを乗り越えると人としての器が大きくなり、余裕が生まれる。それは落ち着き、忍耐力、判断力、優しさとして現れる。こういった人物は次の修羅場に直面しても諦めずに耐え忍び、粘り強く組織を導く。修羅場は最悪の出来事ではなく、リーダーとして大きく成長できる絶好の機会であり、その機会がやってくるのは運の良さでもある。


 これらの経験を踏まえ、その人物が長期的に思索(しさく)しているならなお良い。思索することで、本人なりの思想、成功哲学、人材育成法などが整理され、人にもわかりやすく説明できる。


 プラウトヴィレッジは金銭がないので、各長の動機は内面に沸き起こる他者や社会への貢献心とやりがいが根本となる。つまり自分から先に与えられる人物のみが続けられる立場で、それによって自然と周囲から尊敬が得られる。プラウトヴィレッジに置ける理想的なリーダーは、次の要素を満たしていること。


・誠実さ

・実力

・挫折や修羅場の経験

・長期間の思索


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