○自我 [4]

 自我の強い者は自己主張が強く、話し合っても話にならない。自分が被害者である、相手が悪いという視点で話をするため、公平で客観的な視点を欠いている。



意識は直感や出来事を通じて人間や世界に働きかける。その働きは調和。その意識の中で、そんな働きがあることを知らずに、小さな範囲で獲得を求めるのが自我による欲望。その小さな欲望が、それをも含む無限に広がる意識に対抗しても、勝ることはできない。


人間の器が大きいというのはどれだけ自我に囚われず無心となり、他者への愛情を持っているか。器が小さいとは、他者を排除し「私」を優先する自我の強さ。


人から意見されて腹が立つのは、傷つけられた、自分を守りたいという自我の防衛本能。時にそれは器が小さいと言われる。感情的になる時は自分の自我に気づけ、自分が何にこだわっているのか見えやすい。意識として在る時は、批判されても気にせず反応しない。


「私」が傷つくこと、それは自我が恐れること。


自我に囚われていると、人の忠告を受け入れることは負けだと考える。自我が薄まると、忠告はありがたいと考えるようになる。


スポーツなど勝ち負けの世界で10代を育つと、大人になっても勝ち負けで人と接するクセが残る。ちょっとした話でも相手より勝ろうとする。それは付き合いにくくわずらわしい。そして本人はそのクセに気づいていない。


自我はいつも誰か攻撃する対象を作る。そして自分は相手よりマシだという優越感にひたり、相手が失脚するのを期待している。職場でも学校でも。


自我は自分より大きなモノやたくさんのモノを目にすると、劣等感を感じる。逆に自分より小さいモノや少ないモノを目にすると優越感を感じる。


自我を理解し心を静かにしていると、他人の自我もよく見えてくる。


自我を知るほど、他者の言動の理由も見えてくる。


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