○推薦選挙 [4]

  この手順で年に1回の投票の際に新しい長が必要な時は、1町会から優先的に長を埋めていく。こうすることで新しい長や副長が、1つ飛ばしで下位の町会に参加することを防ぐ。またこの方法でいくと一度も長は経験せず、副長の立場から自動的に繰り下がって下位の組織に参加することが連続する人物も出てくる可能性がある。ただそれでも副長になるにはまず同じ階層の町会で推薦が必要であり、また1年に1回の推薦選挙があるので、能力的に明らかに不適任の人物、もしくは強欲な人物であれば1年で解任される。


 これは住民が推薦選挙や長に対して無頓着になるのを防ぐと同時に、長が不適任だった場合に交代が容易にできるようにするため。どの長も再選されなかった場合は、一度役職を失い、再び推薦されれば5町会から参加する。こうして世代交代の新陳代謝を良くする。


 住民はもし近隣で問題が起これば、5町会の5長や副5長のもとに相談へ行く。そして必要であれば5長は近隣住民を集めて対話による解決を図る。それでも解決しないときは一つ下の階層の4長のもとへいき、より大きな問題として対話によって解決する。こうして問題が起こった時は対話により解決していき、各長は小さな組織で経験を積んで1長として成長していく。この場合、答えのない問題に直面した時に、その長と副長の本当の力量が見えてくる。



 推薦権は10歳からで、特別な理由がない限り自治体は必ず全員の推薦者を聞く。10歳は男女ともに第二次成長期が始まる頃であり、心と体が子供から大人へと目に見えて変わり始める。そして自分の意思もはっきりと持ち始める。また子供は生まれてから親への依存する期間と、自立していく期間があるが、その節目を覚えやすい10歳に設定している。


 推薦権は住民全員にあるが、1年以上そこに住んでいることを条件とする。理由は、引っ越してきたばかりで5町会の住民の多くと会っていないのに、何もわからず推薦するのを避けるため。


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