○組織とリーダー [5]

  内面に争いのない誠実なリーダーを選ぶという視点を世界中の国民が持っていない世界では、欲の強い者がリーダーになりやすくなる。立候補制の場合、誰もがリーダーになる権利がある。これは誰もが努力しだいでリーダーになれる公平な仕組みではなく、強欲な者が候補者の中に混じってしまい、投票者は見分けることが難しくなってしまう仕組み。よって自我の強い者がリーダーになる可能性が出てくる。こういった自我の強い人物がリーダーになると、その自我は負けることを恐れるため自国の武装化を主張し、それが抑止力にもなると力説する。ところが他国にも自我の強いリーダーがいると、同じ恐れを持ち、軍備の増強を始める。こうして延々と平和な社会は訪れない。

立候補制でリーダーを選ぶと自我の強い者が出てくる。その中には人から尊敬されたいや、地位と名誉を求める欲深い者、小利口な者が出てくる。そしてその組織に属する人は、その組織が嫌いになる。一般的に愛想が良く世間の評判が良い人がいたとしても、毎日一緒に過ごしている身近な家族や仕事仲間は裏の性格を知っている。社会のリーダーを選ぶにはこの目線が必要で、推薦でリーダーを押し上げる方が平和な社会を築くには適している。



 自らリーダーになろうとする者よりも、私生活の態度を知っている周囲に推薦される誠実なリーダーの方が、平和な社会を築くには適している。


 日頃から無心になり意識として在ることに取り組んでいると、欲は限りなくなくなっていく。よって自ら手を上げてリーダーになろうとはしない。だから周囲が推薦する必要が出てくる。そういうリーダーは内面に争いがないので誰とも争わず、平和な社会を築ける。


 謙虚で誠実なリーダーを選んでも、その周囲の大多数が自我の強い者であると、リーダーの意見は無視され、すぐに潰される。誠実なリーダーは誠実なリーダーやメンバーで囲むことが大事。それによって平和で穏やかな社会が持続する。


 国民がリーダーの選出に無知であったり無関心であったりすると、やがて独裁者がリーダーになる可能性が高くなる。その時、人々はこのリーダーを批判する。しかし国民の無知や無関心がその始まりである。


 自我はいつも攻撃する相手を探していて、もっともっとと際限なく物質的な物を求める。自我の強い人物が大統領や首相になれば、領土をもっともっと拡げようとする。そのためには武器も使い、姑息なこともして相手を攻める。そのため周囲の国が武装化して軍事力を高めても、様々な角度から揺さぶりをかけ、侵攻のためのすきを作ろうとする。各国のリーダーが自我の強い者である限り侵略はなくならず、戦争もなくならない。周囲の国からすれば、平和で安心という状況はいつまでも生まれない。平和な社会を築く唯一の道は、世界中で自我への囚われが限りなく薄い人物をリーダーに選ぶこと。それを世界中の人が理解し、そういった人物をリーダーとして選ぶ。そうでなければ平和な社会は根本的に生まれない。


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