○自我 [9]

 幼少期に親など周囲の愛情に恵まれなかったり差別や虐待を受けた子供は、やがて不良行為や反社会的行為を行い、周囲へ迷惑をかけることがある。本人は心の底に寂しさを抱えていて、誰かにかまって欲しくて迷惑行為をし、人の注意を引こうとする。例えば心の寂しさを埋めるため騒音を出し、誰かの気を引こうとする車やバイクでの暴走行為のような。そういった行動も過去の記憶が無意識の突発的な思考としてやってきて、その人の言動を決めている。迷惑行為が多いと周囲の恨みを買い、それにさらに反抗してと悪循環に陥る。これについても、無心になることは解決につながる。意識として在り、注意深く思考を観察し、過去の記憶が自動再生された時にはそれが一時的なものであると認識して、再び無心に戻る、ということを習慣化する。あとは本当に習慣化しようという本気の決意がいる。



自分を雑に扱う人は、他人からも雑に扱われる。自分を大事にしている人は、他人からも大事にされる。


普段から自信なさげにしていると、誰かからの指図や攻撃が増える。自我はいつも誰か攻撃する対象を探していて、自信なさげな人を雰囲気で感じとる。それはちょうどよい標的。結果を出さなければならない仕事やスポーツでは、自信なさげにしていると仲間から責められる。仲間の自我は、自分が負けることや損させられることを恐れる。自信過剰は油断を生むが、無心になると自信の有無に囚われない。


普通の日常では誰もが普通の言動で過ごしている。ところがある瞬間、思考が突発的に起こり、その人の過去の記憶が自動再生され、急に冷たい態度、攻撃的な態度や気分屋になったりする。やがてそれがおさまり普通に戻る。これが頻繁に起こると付き合う側は疲れる。


お酒を飲んで酔っ払うと、過去の記憶が自動再生されやすくなる。それにより酒乱や愚痴っぽくなったり、普段は表に出さない性欲が出てくる。すべて突発的な思考。


誰にでも自分で気づいていない思いグセがあり、突発的な思考は心の深い場所に刻まれていることがある。それは劣等感、トラウマ、妬み、恨み、自分の得だけを考えるなど。それに気づいていないとその行動は誰かに迷惑をかけ、評判も悪くなり、攻撃もされる。まず1日3分でも目をつぶって静かに座り、心に意識を向けることから始めてみる。すると色んな感情が起こってくるが、その一つ一つを観察し、それに振り回されていた自分に気づくことが第一歩。繰り返していけば、感情が起こるたびに気づくクセがつく。気づくとその瞬間思考が止まり、振り回されなくなる。そうして足を引っ張る思いグセは消えていく。


思考にいつも気をつけていないと振り回される。初期はいつも気をつけることを面倒に感じるが、習慣化してくれば無心の方が楽になる。


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