○戦争を失くす道

  2021年のアメリカで銃による死者は約4万8000人、日本では1人だった。アメリカの人口は日本の約2.7倍だった。武器があれば必然的に争いは起きる。これは国という単位でも同じであり、爆弾や戦闘機を持っていれば必ず戦争が行われる。核兵器など軍事力による抑止力というのは一時的な気休めで、中長期的には緊張が高まり続け、その分装備も増強され、やがて何かのきっかけで戦争になる。世界のすべての国にプラウトヴィレッジが出来たときが武装解除のタイミングとなり、各国同時に自治体の電気炉へ武器を焼き捨てる。


 貨幣社会では軍隊で働く兵士も、そこで給料を得ている。しかしプラウトヴィレッジでは稼ぐ必要がないので、軍隊で働く必要がない。もし独裁者が現れても、軍隊がなければそれを守る組織もない。軍隊がなければ独裁者も、非力な一人の人間に過ぎない。

 また軍隊は自分たち国民を他国の脅威から守る存在だと考えられている。しかし自国の政権に反対するデモや人々を力づくで抑えるため、軍隊が使われることもある。その国のリーダーが独裁者であるほど、国を守るための軍隊は自国民を攻撃するために使われることもある。



 また人間の性質として、自我はいつも攻撃する相手を探していて、もっともっとと際限なく物質的な物を求める。自我の強い人物が大統領や首相になれば、領土をもっともっと拡げようとする。そのためには武器も使い、姑息なこともして相手を攻める。そのため周囲の国が武装化して軍事力を高めても、様々な角度から揺さぶりをかけ、侵攻のためのすきを作ろうとする。各国のリーダーが自我の強い者である限り侵略はなくならず、戦争もなくならない。周囲の国からすれば、平和で安心という状況はいつまでも生まれない。平和な社会を築く唯一の道は、世界中で自我への囚われが限りなく薄い人物をリーダーに選ぶことで、それを世界中の人が理解し、そういった人物をリーダーとして選ぶこと。そうでなければ根本的に平和な社会は生まれない。


 戦争中の国の住民はほとんどが戦争を望んでおらず、プラウトヴィレッジはそういった人々の移住先となる。また難民、移民の受け入れ先ともなる。そうして徐々に各地の貧困、紛争、戦争に巻き込まれる人々が減る。また平時の国に住む人々もプラウトヴィレッジに移住することで、世界中に平和な社会の構築方法を理解し、生活と時間に余裕のある人々が増えてくる。すると社会の雰囲気が前向きな方向に変わってくる。そして最後には権力にすがりつく独裁者や政治家が残り、それらをプラウトヴィレッジが取り囲むようになる。しかし兵士の数が減った権力者に力はない。そしてその国の権力者たちにもプラウトヴィレッジへの移住を促し、非暴力によって平和的に解決する。


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