○公共工事

  プラウトヴィレッジでは物質的に過不足なく満たされることにより貧困がなくなり、それによって犯罪も少なくなるので家の鍵をかける必要性は減ってくるが、初期においての鍵の設置は居住者の判断に任せる。

 そして引越しの際は家財道具を置いていくこともでき、次の居住者はそれを利用する。こうして自治体の承諾を得れば、誰でも好きな所に好きな人と住むことができる。それは子供であっても。


 住民が住居の改築や新しく建てたい場合は、製造部に申し出る。製造部が円形の配置を基本として、地域のどこに建てるのかを決定していく。住居の建設の際は建物の領域を示すような柵や塀は作らず、開放的な状態にする。
 街の作りはすべて、車椅子の人物が一人でも移動できることを前提とした設計とする。誰かの助けを必要とするような段差や隙間はできるだけ作らない。階段も長いスロープにするか、エレベーターをつけるなど配慮する。

 

 自治体の道、山道、建物の位置は、人間よりも自然の都合を優先する必要があるので、製造部が中心となってそれらの位置設計を進め、大樹は伐らずに残す。地上の道路には信号、道路標識、柵、塀、ガードレールはできるだけ作らず、自然を優先する。ただ隣の自治体までは、災害時の救助などに使用する大型車が通れるくらいの幅の道路は確保しておく。
 道路作りの基本として、交差点などの死角を作らないこと。よって四つ角に建物があるような自治体づくりは始めから避けていく。また歩行者用、自転車用、車用の道路もできるだけ分ける。



 そして車が通らない野原などには道を作らず、人が自由にコースを決めて歩けるようにし、社会にはゴミがなくなるので、どこでも裸足で歩けるようにする。夜になれば住居と道路の電灯が光ることになるので、電灯はすべて照明芸術として設計し、夜の景観向上に努める。ただ景観向上に影響力を持たない場所の電灯は、人感センサーなどを使用して通行がある場合にだけ点灯するようにし、それ以外の時間は闇にして星が見えるようにする。


 河川もコンクリートの堤防の建設はできるだけ避け、自然のままの景観を維持する。よって豪雨によって川が氾濫する恐れのある場所には、建物を作らないことが基本となる。こういった共通ルールを守ることで地上には必要最低限の建造物と道路だけとなり、後は自然と動物で溢れかえることになる。


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